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そして豪邸の玄関前に、周りの景色とは不釣り合いなタクシーがゆったりと停車する。
真田は気を引き締めるようにネクタイを軽く締め直した。
「私は車を片付けますので玄関前でお待ちください。すぐに迎えが来ますので」
そうヒューズは曖昧な事を言い残して、玄関前に真田1人を置いて去っていった。
「はぁ……まったく」
アメリカの暑い真夏の日差しに照らされながら不安と共に深くため息をつく。
不安の要素はいくらでもある。
渡米してすぐにパトカーとの派手なカーチェイスにまたも派手すぎる豪邸。
五体満足で日本に帰れるかと不安ばかりがつのっている。
ついでにアメリカに来てから、ため息ばかりついている事に気がついて少し悲しくなった。
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