いけない恋~姫編~

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「ねぇ、貴方には愛しい人いないの?」 とても気になりつい聞いてしまった質問。 彼は何て答えたと思う? 「いますよ。ですが、手の届きそうで届かないところに…」 遠くを見ながら呟かれた。 その時の彼の顔はとても悲しい顔で… 私は何かにギュッと心の掴まれたような感覚を感じた。 “それが私であったらどんなに嬉しいことだろう…” そう思うと、とても胸がくるしかった。 私には優しくて美しい姉がいた。 だから、私は姉のことを想って言っているのだと勘違いをしていた。 「そう…その想い叶うといいわね?」 できるだけの笑顔で言ったつもりが、彼は私の顔を見て困った顔をした。 @
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