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「ねぇ、貴方には愛しい人いないの?」
とても気になりつい聞いてしまった質問。
彼は何て答えたと思う?
「いますよ。ですが、手の届きそうで届かないところに…」
遠くを見ながら呟かれた。
その時の彼の顔はとても悲しい顔で…
私は何かにギュッと心の掴まれたような感覚を感じた。
“それが私であったらどんなに嬉しいことだろう…”
そう思うと、とても胸がくるしかった。
私には優しくて美しい姉がいた。
だから、私は姉のことを想って言っているのだと勘違いをしていた。
「そう…その想い叶うといいわね?」
できるだけの笑顔で言ったつもりが、彼は私の顔を見て困った顔をした。
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