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ある日、もうすぐ15才の誕生日を迎えようとしている王子は同い年で仲良しの執事を連れ、民の住む街に出た。
初めて民の生活を知り、とても興味を持った。
だが、王子を見たとたん、皆端っこにより喜びの声を上げた。
それを見た王子はとても不機嫌になり、街から足速に出ていってしまった。
執事の呼びかけにも反応せず、宛もなく森の中をさまよっていると、水がとても透き通っているキレイな海にでた。
“こんな綺麗な水初めて見た…”
そう、心の中で呟いて見とれていると、後ろから女の子の声がした。
ハッと我に帰り後ろを振り返ると、執事の姿はなく代わりに背の小さい自分と同い年くらいの女の子が、
“どうしたら良いものか…”
と言わんばかりに慌てていた。
声をかけると、ビックリした表情から優しい笑顔に変わった。
“可愛らしい娘だ”
王子はそう思った。
その時、執事の声が聞こえてきた。
王子は大声で執事を呼ぶと、女の子は執事の名を聞いて嬉しそうな顔をした。
それを見ていた王子は、女の子の態度で察してしまった。
木の陰から執事の顔が見えたとたん、女の子は駆け出し執事に飛びついた。
“やはり…”
王子はさっき思ったことが本当ではないよう心の中で願っていた。
だが、それは叶わぬことだった。
執事はすぐに自分から女の子を離し、王子に自分の許嫁だと話した。
王子は笑顔で2人を祝福した。
この時から、王子の悲しい運命が顔を出し始めた。
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