『金色の匂ひ』

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昨夜降った雨が、しとしとと朝になっても降り続けていました。沙耶は窓から外を眺めて、ため息をつきました。 (会社に行くの嫌だなぁ…) 誰だって、朝から雨の降る中を会社に行くのは嫌なものです。 沙耶はまとまらない髪に嫌気を感じながら、家を出るしたくを始めました。 こういうときのために買っておいた、お気に入りのレインブーツとちょっと高めの可愛らしい桃色の傘を取りだして。 (そうだ、今年はレインコートも新調しよう…) そんなことを思いながら、玄関のドアを開けたのでした。
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