00:神鳴 頼光『回顧録』

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『僕は 神鳴頼光 12歳  もうすぐ 小学校を  卒業する 6年生です  今年は 楽しい事が  たくさん ありました  修学旅行や 運動会も  楽しかったけど  じーじとの お山での 修行が  とっても 楽しかったです  お山の 空気は とてもキレイで  僕の 体も 喜んでました  それに すごく 大きな木が ありました  時守(トキモリ)の大樹と 云うそうです  この木は なんだか とっても  あったかくて ほっ ってなります  じーじから 不思議な  お話を 聞きました  時守の大樹には 人の 想いが  宿るのだそうです  その想いを 時間が たくさん  過ぎても 守っている  だから 時守って  名前なのだそうです  他にも 死んじゃった人に 会えたり  昔 地震が起きて この木の下まで  逃げてきた人達が 助かったり  したそうです  じーじの お話を聞いて  僕のことも きっと 守って  くれてるのかなぁ って思いました  それに お山の修行から 帰ってから  十六夜くんと 仕合をしたら  初めて 勝てました  十六夜くんは とっても 強くて  今まで 七回 仕合を したけど  勝てたことは ありません でした  でも 今年は 勝てたので  とっても うれしかったです  十六夜くんは くやしそう だったけど  強くなったね って 笑って  握手して くれました  じーじも じーじのお友達の 人達も  よくやった ってほめてくれて  とっても うれしかったです  中学校では 十六夜くんと 同じ所に  行くので 今から とっても  楽しみです』
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