00:神鳴 頼光『回顧録』

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『俺は 神鳴頼光 歳は14  どうも 他の人からすると  俺は 「変わってる」 のだそうだ  俺自身に そんな自覚は 無いのだが  ジィさんから 武術の 修行を  受けている ことや  そのことを 喜々と 話すこと  後は 携帯電話や テレビ番組に  興味が 無いことも 周りの人には  特に 同じ歳の人 からすれば  「考えられない」 らしい  別に マンガや アニメや ドラマが  嫌いな ワケじゃない  俺だって 娯楽に 興じることは ある  ただ 俺には 一々  「そういう」ことで  話題だの 情報だのに  縛られて 「みんなと一緒」を  強要される 感じが  窮屈に 感じるから  「それ」で 離れていく 人がいても  気には ならない  それに 十六夜も いる  アイツとの 付き合いも  今年で 5年になった  アイツからの 初勝利 から2年  ようやく勝ち数と 負け数が 並んだ  初めて 勝ってから は3連勝と  俺の勢いが 勝っていたが  アイツも 負けっぱなしが 性に合わず  一進一退な 時期が 続いた  それでも 今年の 年初めの 一戦  通算 26戦目で ようやく  13勝13敗の イーブンに できた  ようやく アイツと 肩を  並べられた ような気がして  ガラにもなく 涙が出た  最近は ジィさんが 《極》(キワミ)の  修行の 開始を 認めてくれた  いつかは ジィさんや ジィさんの  友人の じいちゃん達 からも  仕合で 一本 決めてみたい  より一層 修行に 励まなきゃな』
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