2人が本棚に入れています
本棚に追加
制服のチェック柄のスカートを翻して、少女は目の前の光景を睨み付けた。
そして震えて仕方ない情けない、手足、足腰を。
武者震いとかなり無理があるのを分かっているが、そう思った。
「ふざけんなーっ!!」
自分を庇って、膝をつけていた美青年も呆然と。自分を見た。
目の前には、敵とは思えない洋画などで描かれているよりずっと綺麗な翼と容貌をしている、天の使い──天使がいた。
「あんたには意思がないのっ?」
自分が場違いなのは分かっている。
でも、声を聞けたのは、自分──坂出 恋(さかい こい)だ。
「さっきから聞いていれば、グダクダ……納得が行かないのなら、向かえば良いでしょ!」
なんで、こんな足下には死体と硝煙の匂いまるで、戦場にいるのか。
五分前、一分前にはコーコーセイだった。
「見る限り、男だしそれに結構良い線だからっ!!仮にも天使なん、でしょ!?」
関係ないって、頭の、心底でもう一人が呟いた。
事の発端は、間違いなく。
絶対に、あの占いだと確信を持って。占い師をぶっ潰すと胸に決めて
最初のコメントを投稿しよう!