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見た目は完全に大人。 でも、少年時代の瑞々しさや、清潔感が残っているのは貴重だけど。 「そういえば、妹さんいない?」 私は気分を変えるべく、駿君に話しかける。 「いますよ。」 「もしかして、家庭教師を頼んだ?」 「らしいですね。」 「やっぱり。それって私だよ。」 ビックリするかなと思ったが、私を見てニコニコしているだけで、全く驚かない。 逆に何だか苛立った。 全く動じないなんて、つまらないヤツ。 私の顔を見て、彼は気付いたのかクスッと笑って言った。 「僕が言ったんです。美佳子さんなら教えるのが上手いし、妹とも気が合うって。」 「駿君が?」 「そうです。」 何だかとてもくすぐったい気分だ。
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