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「こんにちは。」 塾の講師部屋の仲間に声をかける。 今日の生徒のプロフィール表とテキストを用意して、直ぐに部屋を後にする。 私は大学でも塾でも人を極力避けている。 人と関わり合うのは面倒だ。 「さて、今日も稼ぐぞ。」 私は生徒の待つ部屋に移動した。 この塾は個別指導が売りで、講師一人に対して三人の生徒と決まっている。 今からは古典の授業で、冬期講習カリキュラムの一回目だ。 いつもの生徒とは別に一人、初めて会う生徒が来ていた。 私は縦に生徒の机が3つ並ぶ真ん中の机の隣に椅子を置く。
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