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「もうサークルに入ったの?まだ入学してないじゃない。」 「結構ハードなテニス部みたいです。高校時代の先輩だから、強制参加ですよ。」 「高校でもテニス部だったんだね。」 駿君は中学時代からテニスを頑張っていた事を思い起こす。 副キャプテンで、かなりの腕前だった。 思い出に浸っていた私に駿君が言った。 「そういえば、何度も部活を見に来てくれましたよね?」 彼はあっさりと言い放つ。 私は思わず彼の顔を見つめた。穏やかな彼の顔を。 「…知ってたの?」 「ええ、一緒に帰った日以降にも来てくれましたよね?」 「…」 確かに、何度か車でわざわざその道を通った事もあった。 でも、止まったりせずにサッと通り過ぎただけだったのに。 なんで今更そんな事を思い出すの? 何で今更駿君に出会ったんだろう。
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