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「廣田さんと一緒に死にたかったのに。私は廣田さんと一緒に死ぬことも出来なかった。」
「最後の言葉は、何だったかも覚えてないけど、私は廣田さんの事、上手く行きませんようにって祈ってた。サイテーだった。廣田さんの幸せを願ってあげれなかった。自分の事ばかり考えて、結局罰を受けたんだ。」
「もう良いよ、美佳子さん。」
駿君はゆっくりと私を引き寄せた。
ぎゅっと抱き締める駿君の腕はやはり温かい。
耳元でそっと囁かれる言葉。
「美佳子さんは、悪くない。美佳子さんが感じた事は間違ってない。美佳子さんが一番傷付いたんだから…」
「駿君…」
「忘れなくて良い。でも、失った苦しみじゃなく、愛した喜びを覚えていれば良い。」
「思い出にする事は罪じゃない。」
「駿君…」
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