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「ちょっ、バカトーコ!」 「ペットじゃないけど、桜木駿です。」 酔っ払いの戯言を全く相手にせず、やはり駿君は爽やかに挨拶をした。 かなりの大物ぶりに、姉さんが駿君を前に座らせて熱燗をついでいた。 「まだ未成年なんだから駄目だよ!」 「じゃあ、美佳子が飲みなよ。ざるなんだから。」 冬子が意地悪く私に言う。 「冬子、覚えてろよ。」 「美佳子の記憶が残っていたらね。」 飲みすぎるなよ、と冬子はサッサと逃げ出した。 隣には駿君、前には姉さんの席に座れと姉さんの目が言っている… 私は諦めて、腰を落ち着けた。
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