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この焼き鳥屋のバイトの子がかなり気に入っている私は、ここでは粗相しないようにいつも細心の注意を払っているのに。 「いらっしゃい、美佳子さん。」 私が入口でアピールしたおかげでお気に入りのタシロ君がお絞りを持って現れた。 えくぼが可愛い、子犬系の顔立ちなのに体育会系らしく体つきはガッシリしていてそのミスマッチな感じが気に入っている。 最近やっと話ができるようになり、このお店に来る楽しみの一つになっている。 「タシロ君、生をお願い。」 私がよそいきの笑顔でアピールすると、姉さんが鼻で笑った。 「呑んだくれの美佳子が色目使ってる。」 「姉さん、人の楽しみを邪魔しないでよ。せっかくの癒しなんだから!」 「あんたの癒しは酒でしょ。アルコールでトンじゃうんでしょ。」 「それは姉さんじゃない!」
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