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……… あれからどれぐらい飲まされたんだろう? 私は久しぶりに飲みすぎて、頭はふわふわ、体はフラフラで視線も真っ直ぐには定まらず、意識だけは辛うじて残っているような状態だった。 これは夢か現実か?もしかしたら夢かな? 私は立ち上がろうとしたが、隣の駿君の膝で蹴つまずきそうになり慌てて机に手を付いた。 「結構足にきてますね。」 駿君が立ち上がると私の腕を持ち立ち上がらせてくれる。 「今日は車ですよね?」 駿君の考え込む横顔を見ながら、突っ立っていると姉さんが駿君に命令した。 「いつも美佳子は車で酔いを冷ましてから帰るから、一瞬に帰りな。」 確か、駿君の終電を乗れなくしたのは私だ。 おぼろ気ながら覚えている。 私は駿君に送るよ、と伝えて皆に素面の振りをして挨拶すると早めに店を切り上げた。
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