王子様とお客様

4/4
前へ
/77ページ
次へ
僕はあなたに手招きします。 あなたはそれを受けて、おずおずと扉を背にしましたね? 「客人と息が合ってね 話を進めている内に、姫君が執筆している物語を読んで頂きたいと思ってね 書けた分だけ読ませてやって欲しいのだけど いいね?」 「まあ‥急ですこと… 恥ずかしくて、 お客様に拙い文字をお見せ出来ませんわ? 清書を文官にして頂いた後ではいけませんの? …どうしても、と仰るなら わたくしが読み聞かせ致しますが、如何でしょうか」 僕はあなたへとゆっくり振り返り、目配せしましたよ? さあ、同意の返事をなさい。 「では、拙い語りですが わたくし達家族に起こった出来事を お話致しますわ‥」 姫君の言葉を待ってましたとばかりに、 僕は直ちに、部屋係にお茶の用意を言い付けました。 どうぞ あなたはこちらにお掛けになって下さい。 午後のお茶会のお菓子を、先に振る舞いましょう  
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加