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僕はあなたに手招きします。
あなたはそれを受けて、おずおずと扉を背にしましたね?
「客人と息が合ってね
話を進めている内に、姫君が執筆している物語を読んで頂きたいと思ってね
書けた分だけ読ませてやって欲しいのだけど
いいね?」
「まあ‥急ですこと…
恥ずかしくて、
お客様に拙い文字をお見せ出来ませんわ?
清書を文官にして頂いた後ではいけませんの?
…どうしても、と仰るなら
わたくしが読み聞かせ致しますが、如何でしょうか」
僕はあなたへとゆっくり振り返り、目配せしましたよ?
さあ、同意の返事をなさい。
「では、拙い語りですが
わたくし達家族に起こった出来事を
お話致しますわ‥」
姫君の言葉を待ってましたとばかりに、
僕は直ちに、部屋係にお茶の用意を言い付けました。
どうぞ
あなたはこちらにお掛けになって下さい。
午後のお茶会のお菓子を、先に振る舞いましょう
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