始まり

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「あ、は、はい。いつもお世話様でございましゅる」 慌てたのもあってか、へんてこな応答。向かいの席の岡本さんは耐えきれなくなった為か、相談室に駆け込んでゲラゲラ笑い転げてて。 とうの私は舌が凍りついて、頭の中が、真っ白。 「......八月のSSの予定…」 ちょっと間があったものの、いつもの様に予定を読み上げる対馬さんの態度に、もしかしたら、気がつかなかったかな と、期待して聞き逃さない様にメモを取る。 四人分の予定を書きとめて間違いがないかどうかの復唱。 「…で宜しいですか?」 「はい。宜しく」 いつものと変わらずなやり取り。いい間違いは気がつかれずにすんだ事にホッとし受話器をおこうとすると、切り際に「面白い人だなぁ」 と笑いながら話す対馬さんの声が聞こえた気が…。
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