淑女

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淑女

朱色の紅茶を白く染めた 濃いめの甘さで嗜んでいる 離陸したカップが 再び円盤に着陸する それを掴むか細い指 カップの運転手は ふと顔を上げる 小さな窓の奥で しとしと降る雨に ただ見惚れて溜息する横顔 その美しさに、私は惹かれた ああ 麗しの淑女よ 屈託しながら笑む その物憂げな表情を どうか 誰にも見せぬ様に どうか
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