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目の前の血も冷たくなりつつある両親の体も全て。
段々と視界に正確にとらえられて認識され、信じたくない、見たくない事実が、現実が突き付けられる。
「ぁ……あ………う、あ。」
顔は恐怖に彩られて子供の口からは言葉にならない声がこぼれ、身体はカタカタと震えだし、震えは酷くなっていくばかり。
鎧達はその異変に気が付いていたが、全く気にしていないどころか嘲笑い、見下している。
ただ鼻で子供を笑いながら剣を振り上げ、後は勢い良く振り下ろすだけ。
瞬間。
「あぁぁあぁぁぁぁあっ!!」
「なに!?」
子供は目を見開き絶叫した。
それだけではない。子供を中心として大き過ぎる力の濁流が衝撃波と風の刃となって辺り一面を覆い尽くした。
そして叫び声が聞こえなくなると共に唐突にそれはおさまった。
たった数十秒で家の中は様変わりしていた。
衝撃波は周りの物を薙ぎ払い、風の刃は鉄をも簡単に切り裂いて崩していった。
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