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「真っ赤だぜ、顔」
「っるせェ」
顔を横に背ける土方は耳まで赤く染まっている。
「テメーのが、よっぽど意地が悪ィだろ?」
「あぁ?何言ってやがる」
高杉に意地が悪いだなんて言われてムッとした土方が高杉の方を向くと、ニヤリと笑った高杉が土方に口づけた。
離れ際、名残惜しそうに土方の唇をぺろりと舐める。
「テメーは俺が何て言ったって行く」
「・・・高杉っ」
「テメーがかわいいこと言いやがるもんだからたまらなくなっちまってるってのに、テメーはあっさり仕事に行くんだろ?そりゃ意地が悪くねェか?」
黙ってしまった土方に高杉は笑みを濃くし、再び口づけた。
「・・・でも、そんなの、俺、仕事に行くって、言っただろっ」
口づけの合間に土方の言葉が零れる。苦しそうに途切れ途切れに呟く様がかわいくて、高杉は笑みを禁じえない。
「ああ、言ってたなァ」
「それじゃ、テメー、知ってたんだから・・・」
土方の声ごと奪うように高杉は口づけて、土方の身体を掻き抱く。
「本当に行けなくしてやろうか?」
「・・・バカやろ・・・っ」
土方の抵抗はなくなっていた。
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