1 噂<結城翼>

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外は一面雪景色。 雪が降るのはいい事だ。 綺麗だし。 ただし寒さ、お前はいらない。 俺は歯が鳴り出さない様に、口を真一文字に結ぶ。 外と内の温度差による水滴で、教室の窓ガラスは曇ってしまっている。 雪が降る日は決まってこうだ。 寒い。 スーパー寒がりな俺にとって寒さは天敵だ。 おかげで俺は室内でもマフラーをしなければならない。 本当は室内でのマフラーは禁止だと言うのに。 「おーい、結城。マフラー取れー」 先生から軽く注意された。 俺はマフラーをほどく。 注意されれば取る。 それが規則で俺は比較的真面目君だからな。 ちなみに結城が俺の名前である。 結城翼(ゆうき つばさ)。 親しい連中からは『つばっち』と呼ばれている。 「なあ、つばっち」 「はいほい」 後ろの席の陸斗から声をかけられる。 三船陸斗(みふね りくと)は昔からの悪友だ。 小学生の頃から仲がいい。
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