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外は一面雪景色。
雪が降るのはいい事だ。
綺麗だし。
ただし寒さ、お前はいらない。
俺は歯が鳴り出さない様に、口を真一文字に結ぶ。
外と内の温度差による水滴で、教室の窓ガラスは曇ってしまっている。
雪が降る日は決まってこうだ。
寒い。
スーパー寒がりな俺にとって寒さは天敵だ。
おかげで俺は室内でもマフラーをしなければならない。
本当は室内でのマフラーは禁止だと言うのに。
「おーい、結城。マフラー取れー」
先生から軽く注意された。
俺はマフラーをほどく。
注意されれば取る。
それが規則で俺は比較的真面目君だからな。
ちなみに結城が俺の名前である。
結城翼(ゆうき つばさ)。
親しい連中からは『つばっち』と呼ばれている。
「なあ、つばっち」
「はいほい」
後ろの席の陸斗から声をかけられる。
三船陸斗(みふね りくと)は昔からの悪友だ。
小学生の頃から仲がいい。
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