第七章『花金鳳花』

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「これは……………………………転けた」 「散々溜めといてそれ!?」 白蛇の答えに拍子抜けする牡丹の突っ込み。 「牡丹を宜しく頼むな」 白蛇はそれだけ言い残して、何を急くのか颯爽と風に、消えた。 理由は…分かっていた。 白蛇の言った事は…『嘘だ』と。どす黒くなった白蛇の足からは、微々たるものだったが不浄の気配がした。 「……先生」 上手く牡丹を誤魔化せたろうか。 「悟い子だからな…」 無理だろう。白蛇が薄く儚く笑む頃。 (先生…不浄に飲まれかけてる?まさかね!) 絶対に有り得ない事は無い。時として… それが。今、白蛇の置かれている現実。 「牡丹には会えたし。受け入れて想ってくれている人間もいる。」 なら。 なら…自分はもう、いいんではないだろうか。 またザワザワ黒い影が、白を黒に染めていく。 …牡丹の考えなど、甘かったと。後になって思い知らされる。 「ほれ、何や?」 不意に山崎が指差す。 「明日になったら、分かります~」 呑気だったんだ。 牡丹という人間は。 けれど、その反対。白蛇は悔いが残る。 白蛇が望んでいる事に。それを成し遂げる為に牡丹が必要だという事に。 どうか… どうか…… 「1日でも早く……」 (消えたい?一人は…嫌だ…) 「ごめんな。もうすぐ逝くから。」 何百年の月日を重ねて。呟く。 「牡丹もごめんなあ…けど一人ではないのを忘れるなよ」 …黒い影は、もう身体半分まできている…
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