序章みたいな感じ

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「今日から一人暮らしをしなさい」 高校に入学する前の春休み。 部屋でくつろいでいた俺に、父さんから衝撃の言葉が伝えられた。 「ちょっと待って。一人暮らしって俺が? 急すぎない?」 質問続きなのも仕方ないと思う。 いきなり一人暮らししろとか言われたら誰でもパニクるって。 「透も高校生なるんだ。そろそろ巣立ちをしても・・・・・・グス、いいと思うんだ」 「・・・・・・」 説明の途中から、目に涙を浮かべる父さん。 展開が急すぎてあれだけど、取り敢えず一言だけ言わせてもらおう。 「人の部屋に鼻水垂らすな!!」 父さんから垂れた鼻水が床に垂れてるよ。 なんか鼻水特有のテカリが発生してるし。 「ほら、これで拭いて」 「う、うん」 父さんにティッシュを渡して、床を拭かせる。 いい年して鼻水垂らすぐらい号泣するなっての。
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