序章みたいな感じ

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「アメリカの研究室?」 普通の母親からは中々聞く事がない言葉。 でも、俺の母さんからはしょっちゅう聞く言葉だ。 「今度はアメリカなんだ」 母さんは有名な科学者で昔から色々な研究室に誘われて行っていた。 今までは国内だったんだけど、ついにアメリカからも来たんだ。 「透には言ってなかったけど、実は前から誘われててね。言わなくてごめんね」 謝る事なんて無いのに、本当にすまなそうに頭を下げる母さん。 「謝らなくていいよ。アメリカから誘われるなんて凄いじゃん」 アメリカは日本の設備とか比べ物にならないぐらい凄いんだろうな。 そんな所に母さんが行くなんて、息子ながら鼻が高いよ。 「それで透。さっきの一人暮らしの話に戻るんだけど」 頭を上げた母さんは、不安そうに俺の目を覗きこみながら肝心の話を切り出してくる。
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