序章みたいな感じ

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「パパも私に着いていくって言ってるから、透が一人になっちゃうの」 父さんだったらそう言うだろうな。 母さんが大好きで仕方ないんだから父さんは。 でもおかしいな、ここで俺の中に疑問が沸き上がる。 「一人暮らしって事は、俺は連れてかないって事だよね?」 それって捉え方によっては、色々とショック。 例えば俺は両親の邪魔になるから、日本に置いてけぼりとか。 考えるだけでドンドン心に暗闇が広がっていく。 「本当は透も連れていきたいんだけど。せっかく頑張って高校に受かったんだし、高校に通わせてあげたいの」 下落していく俺のテンションを止める母さんの言葉。 もしかしてそれで俺に一人暮らしをさせるのか? 「透。透が嫌なら、今からでもアメリカ行きを断るけど」 母さんにここまで気を使わせちゃダメだ。 息子として俺に出来る事は・・・・・・ 「俺は一人で大丈夫だからさ、アメリカで頑張ってきてよ」 母さんに心配させない事。 さすがに一人で一軒家に住むのは少し寂しい。 でもそれは友達でも呼べば解決するし。 なんかそう考えたら、一人暮らしするがワクワクしてきた。
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