氷点下のプリンセス

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なにか当たった拍子に持ってた布団を思わず落とす。 落とした布団を拾おうして、満面の笑みの涼芽に気がつく。 「ふふふ。もう一発喰らえぇぇぇぇえ!」 完璧な投球ホームで枕を振りかぶる涼芽。 そうか、さっき顔に当たったのは枕か。 「とりゃ!」 「甘いよ」 涼芽の投げた枕を華麗にかわす。 かわした事に満足して、前を向いた途端に。 「ぶほっ!」 梨里さんからの枕が直撃しました。 チキショー、完璧に油断してた。 悔しがるふりをしながら、枕を徐々に自分の方に手繰り寄せる。 二人のもとにはもう枕はない。 けど、俺の方には三つ枕がある。 ふっ、反撃の始まりじゃ。 「隙あり!」 涼芽が不意に見せた隙を見逃さず、素早く枕を涼芽に目掛けて投げる。 よっし!見事に顔に命中。 「やってくれるじゃんか」 俺が投げた枕を手に持ちながら、笑顔を浮かべる涼芽。 そんな涼芽に俺はアイコンタクトを送る。 そんなアイコンタクトを受けた涼芽、最初は不思議そうにしてたが、直ぐにまた笑顔に戻った。
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