氷点下のプリンセス

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涼芽と一緒に教室に戻ると、ほとんど教室に生徒はいない。 午前中に終わった事もあって、皆直ぐに帰ったんだな。 なんて思ってると、不意に先生と目が合った。 うわぁ、なんて冷たい視線。 視線を見てたらどんどんと気持ちが萎縮してきちゃったよ。 ‥‥‥はぁ。 しばらくすると残っていた生徒もいなくなり、教室には俺達三人だけ。 いよいよだ、もう心臓がバクバクしてきた。 「では、早速話を聞かせて貰おうか」 先生が近寄ってきたと思ったら、直ぐに本題を切り出してきた。 もう、話を早くして帰りたい。 その一心で口を開く。 「実はですね。今、俺は両親が近くにいない状況でして」 「それで?」 わぁお!なんて鋭い切り返し。 息も着かせぬ素早さってね。 「実は母さんが一人暮らしは大変だからと言いまして」 「‥‥‥で?」 覚悟しても言うとなると少し躊躇う。
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