メイドってじゃなくて冥土だよ、それ

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「・・・・・・それじゃあ、行ってくるわね」 あの日から今日はちょうど五日後。 そう、母さんと父さんがアメリカに旅立つ日だ。 既に二人は準備を終えて玄関にいるんだけど・・・・・・ 「母さん。そろそろ離れない?」 母さんが俺に全力でくっついて中々離れてくれない。 ちなみに父さんは母さんの後ろで羨ましそうに俺を見ている。 見てるんなら母さんを離してほしかったりするんだけど、父さんには無理か。 我が家では父さんより母さんの方が序列が上だし。 その為、父さんはよく母さんにこき使われてるけど幸せそうだから俺は特に言わない。 そんな父さんは当てにならないから、俺がなんとかするか。 「母さん、そろそろ出発しないと飛行機に乗り遅れるよ?」 「透はお母さんとぎゅーってしたくないの?」 はぁ、なんかそんな風に言われると嬉しいっちゃ嬉しいけど。 そろそろ出発しないと本気で時間がヤバイんだよな。 「母さん、俺しっかり手紙もメールもするからさ。だから、ね」 「う、うん。離れてても心は繋がってるもんね」 良かった、ようやく説得出来たよ。 今だけは俺自身を褒めてやりたい気分。
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