氷点下のプリンセス

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「その‥‥‥」 「口ごもるな。しっかり話せ!」 「は、はい!メイドが家に来たんです」 言った、ついに言っちまったよ。 もうどうにでもなっちゃえ。 「そのメイドが、代々木なのか?」 「いえ。厳密に言うと違います」 なんか涼芽もメイドになっちゃったけど。 最初に家に来たのは梨里さんだったからね。 「では、それは誰なんだ? メイドと言うからには女性だろ? 年齢は?」 梨里さんの年齢か、そういえば知らないな。 今まであまり興味持たなかったし。 「多分ですけど、二十歳ぐらいかと」 「それは由々しき問題だな。一つ屋根の下に若い男女が二人きりか」 まぁ、正確には涼芽もいるから二人じゃなくて三人なんだけど。 でも、それは事態がややこしくなるから黙っとこう。 そう決意したはずのに、もう一人のメイドはなにか気に入らなかったらしいく、おもむろに舌打ちをする。
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