story3 side a

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「なんで、ありがとうなの? 私何もしてないよ」 「ううん、ありがとうだよ、雪菜」 そう言って笑う私を眩しそうに見つめ、雪菜はぽつりと呟いた。 「私こそ、ありがとうアキ」 雪菜の瞳が、少し濡れているような気がした。 その瞳を、私は探るように見返す。 「なんで雪菜がありがとう、なの?」 雪菜は、束の間迷ったように目を泳がせた後、なんでもない、とちいさく言った。 「何、それ」 雪菜と私は視線を合わせ、そして同時に吹き出した。  -end-
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