苺一つと恋心

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「あぅ、その……えっと…。 怯えて…は…… ない……です……」 冗談っぽく言うけど、やっぱり怖い。 笑ってるけど! 「あの…。 まだ眠たいなら寝ても……。今度は起こしませんから……」 起こした事怒ってるのかな? でもやっぱり心配だったし…。私ってお節介!? もう年!? やだ、やだ!! まだ学生だよ!? 「ごめ…なさぃ……。ヒック……」 「えっ!? なっ泣かないで? 怒ってないよ? ほら?」 肩を掴まれて顔をあげると笑うイケメン眠り王子。 …………。 「ヒック……ごめ…んなさぃ…。起こして……ごめん…なさい……」 笑顔が余計に怖いよぉ……! 怒ってる!絶対怒ってる!! 「えぇっ!? まだ泣くの? えっ、えっ、俺の顔怖い?顔?顔なの?えぇ!? えっと……はいっ!」 「はむっ!?」 突然口に何かを入れられた。 びっくりして2、3 粒しか出ていなかったが、涙も止まる。 食べ物とわかってモグモグ口を動かす。 「甘い……。苺…ですか?」 ついつい美味しくて笑みがこぼれてしまう。 「うん。苺だよ。どう、泣き止んでくれた?」 そう言って頬を触りながら聞いてくる。  
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