7人が本棚に入れています
本棚に追加
「惚れさせてあげる。」
その一言で私の心臓は
ドクンッと胸を打つ。
「わっ、私戻りますね………」
絶対顔は赤かった。
でも香哉さんから離れたかった。
このドキドキを止めたくて、
この赤い顔を見られたくなくて
「……………。」
香哉さんからの返事はなかった。恥ずかしくて顔は見れなかった。
香哉さんは悲しんでた?
喜んでた?
寂しそうにしてた?
考えてもわかんない。
胸はまだドキドキ言ってる。
心地よいともいえない、しかし心地悪いと言うと嘘になる。
とても複雑な気持ち。
カランカラン
扉を開けて智乃のいる席へ戻る。
今度はいらっしゃいませと言う声は聞こえなかった。
やっぱりついさっき来ていたから顔を覚えていたのだろう。
連れも置いていってるし。
カタン
「ごめんね。遅くなっちゃった」
「もう本当だよ!
どこまで行ってたの?
ケーキ食べないで待ってたんだから!
ほら、食べよ?」
「うん」
少し、元気でないかも。
最初のコメントを投稿しよう!