苺一つと恋心

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「知ってる?あそこの喫茶店のケーキってスッゴく美味しいんだって!!」 帰り道、ふと友達が言い出した。 指差す先にはオシャレな喫茶店。 喫茶店の前を通った時、窓から見えたのは女、女、女。 「うわっ! 私、無理。女の子だらけじゃん!何であんな女の子ばっかなの?」 「んーとね、確かあそこの店員がイケメンなんだって! しかも女子は雇わない! 男子ばっかのパラダイス! って佳代が言ってた。」 パラダイス? 男子ばっかの? 女子は雇わない? ふざけてんの? 「へぇ……そうなんだ。」 「うんッ! でね、明日ちょうど休みだし二人で行かない? 多分休みだしお客様も少ないんじゃないかな? ねっ、ねっ、お願い!!」 道端でせがまれる。 あの女子軍の中に? あの群れの中に? あのメス豚の中に!? ………。 でも隣を見ると上目遣いでウルウルな智乃に負けて……。 「うん。行こうか」 あー。泣きそうだ。  
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