恋愛模様

サンタクロースの暇潰し。

サンタは一人ではない。

世界中の子供たちに一人でプレゼントを配るなんて不可能だ。

私は日本のサンタクロース。

日本のサンタ仲間は他にも数人いる。

７、８人くらいだっけ？

多いともいえない。

サンタのコスチュームは赤と白、緑。この三色で統一されていて、
しかもとっても可愛い。

私はそれに釣られたみたいなものなんだけど……。

まぁ、仕方ないよ。うん。

「次は…、あそこの家だね。
トナカイさん次はあそこだよ！」

その時、

～～♪

携帯の着信音が鳴る。

「っと、誰だ。雪斗君かな？華奈さんか、一瑚ちゃんかな～？」

ピッ、

私は前を見ながら、手探りで携帯を開き、電話に出た。

「はい、もしもし、誰ですか～？
雪斗君？華奈さん？一瑚ちゃん？」

『………。違う。桃里。…………。逢いたい咲、逢いに来て。』

桃里からだった。
逢いに来て。逢いたい。
そんな言葉は初めて桃里の口から聞いたものだった。