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「桃里?どうしたの、私は仕事だから逢えないよ?
わかってるでしょ?」
『………。』
無言の桃里。
確かにクリスマスなんだから恋人と一緒にいたい、と思うのは普通だ。
だけど私はこの仕事が好き。
この仕事に誇りを持ってる。
子供達に夢をあたえる仕事。
夢を届けるサンタクロース。
私はサンタクロース。
だからそんな甘いことは言ってられない。
「ごめんね?もう切るよ?」
『…………か……』
「ん?なに」
『馬鹿!帰ってくんなっ!!』
ブツッ、
「………、はぁ?なにそれ…」
私は急に切れた電話の画面を見ながらひたすら考えた。
どうして桃里は逢いたいって言った?
普段なら絶対言わない。
どうして桃里は怒った?
私は仕事だから、そう言った。
「…………、ああッ!なんなのよっ!!トナカイさん遅い!速く行ってよ!」
ああ、イライラする。
なんなのよ、なんなのよ、なんなのよッ!!!?
うぅ!帰ったら絶対に問い詰めてやるぅ!!!
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