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カツ、カツ、カツ。
ひどく冷えている廊下を歩く。
私の家はマンションの五階。
このマンションはわりと新しくて、防犯機能もついている。
さっき一瑚ちゃんに電話したあとトナカイさんにマンションまで送ってもらった。
きっと今頃は違うトナカイと合流してサンタクロース派遣事務所本部か、他のサンタクロースのトナカイ達の手伝いに行ったんだろう。
カツン。
やっぱり手伝えばよかったかもしれない。だけど今は桃里が心配だし……。
来年は徹夜でやろう…。
それで華奈さんに許してもらおう。………うん。
ガチャ、
「………ん?」
扉が完全に開かない。
「なっ何で……!?」
鍵は開けた。
………なら、チェーン?
少し開いた扉と壁との隙間から中を見てみる。
…………、やられた…。
完璧にチェーンが掛けられてる。
「こりゃ完全に桃里、怒ってるなぁ…、何でだろう…ハァ…」
なんかだんだん弱気になる…。
嫌われたかなぁ…。
そんなに怒らせること、したかなぁ……。
家に帰ってきたら“お疲れ様、頑張ったね”って、言ってほしかったのに……。
「桃……、里ぃ……」
泣きそう……だよ……。
「反省した?咲」
ガバッって顔をあげる。そしたら隙間から私のことを見ている桃里の顔があった。
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