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「ちょっ！早く開けてよ！
寒いじゃない……。
ねぇ、開けて？」
「やだ。」
はぁ？！
なにそれ、私はあの寒いなかをずっと飛び回ってたんだよ！？
桃里の様子がおかしかったから仕事も早く終わらせたし。
桃里に早く逢いたくて。
「何で桃里は怒ってるの？
私、そこがわかんない。それにさ、とりあえずやっぱりなかに入れてよ。
廊下でしゃべってたらご近所さんに迷惑だよ。」
今はとりあえずなかに入ることを優先しよう。
「…………、うん」
返事と同時に桃里の手が動き、チェーンが外され、ドアを開けてくれた。
「ありがとう…」
だけど桃里は今度は返事もせずにスタスタと私を置いて奥に入っていった。
「…………。
なにさ……」
なにをそんなに怒ってるの？
桃里のことがわかんない。
わかりあえない。
桃里の心が……、
遠くに感じる………。
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