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泣きそうになる私は、涙を必死にこらえて、サンタコスチュームの一部であるブーツを抜き、イラついてたからバンッと投げ捨ててしまった。
奥に進み、リビングに出ると静かに座っている桃里。
「……、ただいま」
「お帰り」
空気が重い。
やたらと重たいです。
どうして?って聞きたい。
まだ怒ってる?って聞いて、
ごめんねって謝って、
一緒に笑って、眠りにつきたい。
「ごめん」
先に口を開いたのは桃里の謝罪の言葉だった。
「えっ?何で謝るの、私が悪いんじゃないの……?」
ううんと首を振る桃里。
「違うよ。咲がいなくて寂しかったんだ。クリスマスなのにって…、
咲がサンタクロースの仕事が好きなのはわかってる。
それで俺と咲は出会ったんだから。
だけどやっぱり寂しくて、咲に逢いたくて……」
寂しい……?
私に逢えなくて?
私がいなくて?
「早く逢いたくて、帰ってきてほしくて電話したのに、咲は気づいてくれなくて……、
だからついつい怒っちゃって…。咲は悪くないのに……。」
あっ、だからバカって怒ってたんだ……。
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