7.

10/10
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/118ページ
 私は静かに微笑んで、これから生きていくという事を考えた。  絶望ばかりが臨める人生になる事だろう。  幸福を求めてはいけない人生になるだろう。  それでも私は生き続ける。  私と同じ轍を踏む人間が出ない様に。  私と同じ心情になる人間がいなくなる様に。  全ての原因は私であり、責任は私にあり、誰から頼まれたわけでもない。  唯の自己犠牲であり、唯の自己剣呑であり、唯の自己安寧であり、唯の自己負担であり、唯の自己責任であり、唯の自己責務であり、唯の自己怠慢であり、唯の自己憂鬱であり、唯の自己満足であった。 「不死身の絶望、ってやつかな」  私は勝義さんに聞こえない独り言を呟いた。
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!