刺激の無い退屈な日

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 ある時、東京都某所に若者がいた。  毎日毎日退屈な日々を過ごし、大して不自由もなく生活する若者。  若者は常々思っている。  この世界は刺激が足りない。不可思議な体験が出来ないどころか、法によって自由すらも奪われる。ホントに退屈だ。何か面白く刺激に溢れたことは起きないのか?  若者はいつもこんなことを考えて過ごしている。若者にとって世界はとてつもなく退屈でしかないのだ。  そしてそんな世界が彼は嫌いだった。いっそのこと一回死んでみて鳥とかに生まれ変わった方が、百倍楽しい人生が送れると本気で思っている。  一応高校には通っている。レベルはよくもなく悪くもなく、平均値を下回ることも越えることもないぐらいだ。  しかし本当のところは通う気なんてなかった。  学校に通っても刺激があるとは思えなかったし、行けば約半日束縛されることも目に見えていた。  でも通わざるを得なかった。  どうやら彼の親は息子に大学に行ってほしいらしく、その為にも高校に通わせたがったのだ。  行きたくはなかったが、自分を育ててくれた親だ。親の気持ちも受け入れることも大事だろうと、嫌々だったが進学をした。  そんな彼はまたいつも通り考える。
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