刺激の無い退屈な日

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つまり一週間後には忘れてしまうような、薄っぺらな日。  若者はそれが嫌なのだ。彼は毎日を記憶に残せるような日々にしたいのだ。でも実際問題それは無理だろう。毎日変わることの無い普通で平凡で一般的な生活。こんな記憶は留めておく必要はない。  しかし、何て刺激の無い退屈な日々だ、と考えながら歩いていると、もう目の届くところに出口が見えた。  若者は、こうして今日という価値ある一日が刺激の無い退屈な日々に変わるんだなぁ、と思いながら歩みを進める。  肩を落として、とぼとぼと歩いていると、ふと視界の中に光が見えた。厳密には『見えている』か。  もしかしたら宇宙人かもしれない、と無理やりやる気を起こし、淡いというよりも霞がかった希望を抱きつつ若者はその光の方へ歩いていく。  どうやら銀杏らしき木の根本の方で光っているらしく、木の手前にある腰ぐらいの高さまで伸びた名前も知らない雑草のせいで発光物がなんなのか分からなくなっていた。  若者は奥へ奥へと草木をかき分けながら歩を進める。  発光物まで行くのに大して時間はかからなかったが以外と疲れた。気分が落ちているからだろう。  若者は気だるげに光るものを見る。この頃には疲れによる気だるげさのため、非現実的なことのことなんかどうでもよくなりつつあって、早く帰りたいとすら思っていた。
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