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私は、くるりと全身鏡の前で一回転した。
ふふっ、と笑顔が溢れる。
ふと、母が怒っていたのを思いだし、急いで階段をかけおりて、朝食へと向かっていった。
「おっ、姉貴おはよー。相変わらず、遅いよな。」
弟の祐樹(ユウキ)は、いつも一言多い。
「祐樹、他にも言うことがあるんじゃないか?
奏、制服似合ってるよ。祐樹は素直じゃないからね」
「兄貴、俺はそんなこと思ってねぇよ。」
「じゃあ、奏が来てからどうしてずっとガン見し「分かった、分かった。俺が悪かったよ。言えばいいんだろ。制服、まぁまぁ似合ってるよ…姉貴にしてはな。」
「また、一言多いだろ」
そういうと、兄こと誠也(セイヤ)は祐樹の頭をグリグリし始めた。
「やめろー、兄貴」
何とも言えない光景に、私は呆れてると、
「「いった~」」
祐樹と誠也は同じ格好で、頭を抱えている。
「バカやってないで、早く食べなさい。せっかくのご飯が冷えるじゃないの。」
「「はい…」」
母には弱い二人を見ていると、私は思わず、ぷっ、と吹き出して笑ってしまった。
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