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カチ 枕元のテーブルから灰皿を取る。 深く、吸い込めば 軽く咳こんでしまった。 「ケホ…ゲホッ」 ずる…とシーツが動いて あなたが起き上がる。 「大丈夫、寝てろよ」 頭を手のひらで押し戻した。 あなたは、んぅ…と呻いて 小さな頭をコテンと落とす。 朱が舞い散るハダケた肩が 艶々と光って 吸いつきたい衝動に駆られた。 華奢な肩を引き寄せれば 簡単に腕の中。 そのまま仰向けに寝かせて、 「ん…」 キスは気持ちいい。 煙草の苦みで寄せた眉間の皺を 顔に添えた親指でそっと伸ばす。 そして、また口づけた。 止めないよ。 あなたの舌で甘くなるまで。 .
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