913人が本棚に入れています
本棚に追加
「蒼くんはお前だけだよ」
目の前の彼は
自分の愛に傷ついてる。
手繰り寄せた赤い糸も
繋ぐその手も
信じることが出来なくて。
愛が解けないように
固く結び過ぎて
幾つも幾つも結び過ぎて
絡まって、
真っ直ぐならない想いの糸。
だからまた混乱して
結んで
結んで
伸ばせない糸。
延ばす先が見えないけれど
切ることも出来ないから
絡まる指ごと欲しいんだろ?
それが束縛になって…。
「…俺の手の中で潰しちゃう」
飛んでゆけぬように、
その羽根を
でも、あの人に
飛んでゆく意志など、
無いのだとしたら?
絡まった糸の所為で、
不自由に愛されていても
飛んでゆけないのは
共に同じ。
.
最初のコメントを投稿しよう!