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「緋路さんに何が…」
そう、口にした後
一宮はゆるりと首を振った。
「いや、アンタは分かるんだよな」
「蒼くんのこと?」
「…そう」
「ふ…そんな事ないよ」
うん。
彼のことはね
分かるようで、分からなくて、
色々考えて分かった気になって、
でもいつも、
答えは単純なんだ。
あの一等星のように
はっきりと青く光ってる。
「あの人に嘘は無い…だから」
本当で生きる迷いも苦しみも
あの人は覚悟してる。
それでも一宮の事は、
その覚悟を幾ばくか超えて
それでも…それでも、
寄り添うことをやめたいって
決して言わないのは、
「お前を愛してるよ…間違い無く」
祈り、縋るように。
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