146

15/16
前へ
/101ページ
次へ
「緋路さんに何が…」 そう、口にした後 一宮はゆるりと首を振った。 「いや、アンタは分かるんだよな」 「蒼くんのこと?」 「…そう」 「ふ…そんな事ないよ」 うん。 彼のことはね 分かるようで、分からなくて、 色々考えて分かった気になって、 でもいつも、 答えは単純なんだ。 あの一等星のように はっきりと青く光ってる。 「あの人に嘘は無い…だから」 本当で生きる迷いも苦しみも あの人は覚悟してる。 それでも一宮の事は、 その覚悟を幾ばくか超えて それでも…それでも、 寄り添うことをやめたいって 決して言わないのは、 「お前を愛してるよ…間違い無く」 祈り、縋るように。 .
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

913人が本棚に入れています
本棚に追加