913人が本棚に入れています
本棚に追加
「溺れてるみたい」
ぐしゃぐしゃに掻き回された
俺の後頭部。
息を乱しながら
俺の掴んだ太ももが震えてる。
もがく手は今、行き場を無くして
うろうろとシーツを滑る。
もう
心地良い、を通り越して
儘ならない身体の反応に
高次元の意識は飛んでる。
慈しみ、だとか
憐れみ、だとか
俺はこうして
あなたの愛を否定する。
あなたは
俺の愛を否定しないのに。
訳が分からなくされて
いいように抱かれてる。
求める『それ』はもう
俺じゃなくても善くなるまで。
そうして初めて
俺はあなたの視線に捕らわれる。
欲情に濡れた瞳は
開いていても見えていないから。
敏感な耳を舐めながら囁く。
「あなたは俺のモノですからね」
呪詛のように。
.
最初のコメントを投稿しよう!