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「溺れてるみたい」 ぐしゃぐしゃに掻き回された 俺の後頭部。 息を乱しながら 俺の掴んだ太ももが震えてる。 もがく手は今、行き場を無くして うろうろとシーツを滑る。 もう 心地良い、を通り越して 儘ならない身体の反応に 高次元の意識は飛んでる。 慈しみ、だとか 憐れみ、だとか 俺はこうして あなたの愛を否定する。 あなたは 俺の愛を否定しないのに。 訳が分からなくされて いいように抱かれてる。 求める『それ』はもう 俺じゃなくても善くなるまで。 そうして初めて 俺はあなたの視線に捕らわれる。 欲情に濡れた瞳は 開いていても見えていないから。 敏感な耳を舐めながら囁く。 「あなたは俺のモノですからね」 呪詛のように。 .
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