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厭じゃない筈がない。
不愉快に決まってる。
それでも
文句一つ言わない。
俺の束縛にも
執拗な愛撫にも
その瞳の端には恐怖が居るのに。
優しく笑わないで。
俺は罪を深めて、
あなたを積極的に
壊そうとしてる。
いっそ、あなたが逃げ出せば
戒められるのに…と、さえ。
喉が渇いて
ベッドから抜け出した。
リビングまで出て冷蔵庫から
ミネラルウォーターを取り出す。
リビングの窓から外が見えて
冷たい静寂が広がっていた。
空には星がきらきら。
寒いと空気は澄むそうで
だから
冬の星は輝いて見えるんだって。
全く、胡散臭い話。
だけど確かにそう見えて
でも
そんなの星の光の強さでしょ。
ほら、
あの青い星、シリウス。
ゆっくり瞬く、強い光。
あんなに近く、輝くのに
恐ろしく遠い、青の灼熱。
俺は水を飲み干して、
あなたの眠るベッドに戻らずに
リビングのソファーに寝転んだ。
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