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走る車に揺られる内に あなたはスウッと眠り込んだ。 条件反射だね。 あなたはその身体に 『習慣』を染みつける。 理由を求めない。 ただ、そうなる それを無自覚に積み上げて。 あなたに施す俺の行為も 習慣に どれか成ってないだろうか? あきらめの悪い感情が たまにこうして溢れてしまう。 あなたの望む愛し方も それを拒むあなたの理性も 俺なら分かってあげられる。 それが、 どうというわけじゃないけど。 積もる矛盾が 誤魔化せなくなって あなたは愛をどうするだろうか? 自分の愛し方を否定して 約束を破る? 自分の慈しみを否定して 破壊を選ぶ? 行き来する愛情が ゆっくりと狂気に変わって…。 その静謐な美しさに戦慄する。 そんなあなたを見れるのは 多分、俺だけ。 .
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