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「着いたよ」 友達の家に着くのは本当に早くて、5分も経っていなかった。 私はお母さんに手を引かれ、玄関の前に立ってインターホンを押した。 「はーい」 中から優しい声の女の人が出てきたと共に、とても美味しそうな料理の匂いがした。 私はそっと靴を脱ぎ、暖かい部屋へ一歩踏み込む。 「わぁ、凄い」 私の口からは、そんなありふれた言葉が漏れた。 自分の家に無いものがいっぱいある、そんな興味津々な私を見て、お母さん達はクスクスと顔を合わせて笑っていた。 だけどそんなのお構い無し。 私はひとつひとつの部屋を楽しげに訪れていた。
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