剣の勇者

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『ガーランド。やはり私は賛成できませイタタタタ』  反論を述べた相方の超AIを黙らせるべく、ガーランドは艦のブリッジにある指令席に腰掛けながら、すぐ脇のコンピュータ端末に蹴りを放った。 「お前の意見など聞いていない。これは俺が決めたことだ」  それだけを告げると、ガーランドは正面のモニターに映し出された、前方を行く輸送船を凝視した。  髪と瞳の色は緑。短く整えられた頭髪は癖が強いのか所々が跳ね上がっている。極力肌を露出させない黒服に身を包み、首元を赤いマフラーで隠している。  生身のままの左手の中指で黒扶ちの伊達眼鏡を押し上げ、制御人格に向けて指令を飛ばす。 「それよりリロード、わかっているな。決して直撃はさせるな」  リロードと呼ばれた超AIはため息を付いたようで、やれやれといった様子で言葉を返した。 『はいはい、わかってますイタイイタイ、ってちゃんと肯定しただけじゃないですか!』 「返事は一回だ」  自分が再度蹴りを入れたことに抗議したリロードに、きっぱりと言い放つガーランド。 「さて…予定ではそろそろ奴らが駆けつけてくる頃か」 『まぁこれだけ騒げば来るでしょう。この辺はよりによって、本部の管理区域ですし』  リロードの言葉にガーランドは笑みを浮かべ、立ち上がった。 「ファントムサイザーで出る。後は任せるぞ」 『了解。撃墜しない様に気をつけます』  リロードの返事に答えることなく、ガーランドはブリッジを降りた。
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