寂しがりやの甘えん坊の泣き虫

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※元太視線 瀬南くんにずっとしがみついているうちに安心して、また寝ちゃった。 「あれ?元太?あらら、また寝ちゃったか。まったく。それにしても、可愛い寝顔だなぁ」 「元太、携帯ありがと・・・・・って、寝ちゃった?」 「うん、今はゆっくり寝かせておこう」 「そうだね」 ─────うぅん。ん?あれ?ここどこ?なんでくまちゃんのぬいぐるみ?・・・・・・・・・・・・・・・あっ、聖斗くん家だ。でも、なんでくまちゃん? 「聖斗くん?瀬南くん?どこ?」 時計を見ると、夜中の1時。 「寝ちゃったのかな?どうしよう、おしっこしたいのに・・・・・」 初めて聖斗くん家に来た僕に、トイレなんてわかるはずなかった。 僕は、くまちゃんのぬいぐるみで不安な気持ちを押さえながら、布団の中でもじもじして我慢した。 「漏れちゃうよ・・・・・」 僕は、左手で股間を押さえて、右手にくまちゃんのぬいぐるみを抱いて、部屋を出た。 「トイレ・・・どこ?」 内股で漏れないように、一歩一歩慎重に歩いて、トイレを探した。 結局、トイレの見つからないまま、一階まで降りてきた。 「漏れちゃうよ・・・・・、瀬南くん、聖斗くん・・・・・・・どこ・・・・・?」 いつの間にか、パジェマのズボンに染みが広がって、ぽちゃぽちゃと床に水溜まりを作りはじめていた。 「う、うぇぇぇ、ひっく、ひっく」 お漏らししちゃった。どうしよう。寂しいよ、冷たいよ。誰か来てよぉ。気づくと、大声で泣いていた僕。その声に気づいて、みんな起き出した。 「元太、大丈夫?」 「ごめん元太。そういえば、元太、家に来たの初めてだから、トイレとかわかんないよね」 「二人と・・・も・・・・・、遅いよぉ‼‼」 そのあとは、聖斗くんたちに、シャワー浴びさせてもらったり、着替えさせてもらったり、べったり甘えた。水溜まりは、聖斗くんのお母さんが片付けてくれたみたい。 「にしても、元太。瀬南の予想通り、ぬいぐるみ抱いてたね」 「うぅ・・・・・」 「だから言ったでしょ。絶対元太、こうゆうの好きだって」 「好きじゃない」 「とかいいながら、未だに抱いたままじゃん」 「二人のいじわるぅ。」 結局、そのまま僕は眠りはじめた。 ありがとう、瀬南くん、聖斗くん。 こころの中で小さくお礼を言いながら。 おわり
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